#144 不機嫌な人は、ただの「大きな赤ちゃん」よ。

【深堀り解説】なぜ「赤ちゃん」と思うだけで心が軽くなるのか？

動画の中で最高なんだぜさんは「不機嫌な人は大きな赤ちゃん」と表現しましたが、これは単なる悪口ではありません。心理学的にも、人間関係のストレスを劇的に減らす認知のリフレーミング（枠組みの作り変え）というテクニックに基づいています。

なぜこの考え方が有効なのか、3つの視点で解説します。

1. 相手の「退行」現象を理解する

心理学には「退行」という言葉があります。これは、過度なストレスや欲求不満を感じた時に、幼児期のような振る舞い（駄々をこねる、黙り込む、物に当たるなど）に戻ってしまう防衛反応のことです。

職場で当たり散らす上司は、まさにこの「赤ちゃん返り」を起こしている状態です。「怖い人」だと思うと萎縮してしまいますが、「今、この人は精神的にオムツが濡れているんだな」と冷静に分析することで、恐怖心を客観的な観察眼に変えることができます。

2. アドラー心理学「課題の分離」の実践

「あの人が不機嫌なのは、私のせいかも…」と悩むのは、相手の課題（機嫌）を自分の課題として背負い込んでしまっている状態です。

しかし、赤ちゃんの機嫌が悪いのが、通りすがりのあなたの責任ではないのと同じように、上司や同僚の機嫌も、あなたがコントロールすべきものではありません。「機嫌を直す」のは相手自身の課題です。

「赤ちゃん」というフィルターを通すことで、あやしてあげる義理はないという境界線（バウンダリー）を自然に引くことができるようになります。

3. 「怒り」を「憐れみ」に変える

人は「理解できない恐怖」に対してストレスを感じます。しかし、「言語能力が未熟だから、態度で示しているんだ」と理解できれば、相手への感情は「恐怖」から「憐れみ（かわいそうな人だな）」へと変化します。

上から目線で相手を「観察」するポジションに立つこと。これこそが、メンタルを守る最強の盾となります。

今日からできる！「フキハラ」スルー技術 3選

明日から職場で不機嫌な人に遭遇した際、すぐに試せる具体的なアクションプランをご提案します。

• 脳内で「おしゃぶり」を装着させる
  不機嫌な態度を取られた瞬間、相手の口元に「おしゃぶり」を、頭に「ボンネット（赤ちゃんの帽子）」を被っている姿を想像してください。この視覚的なイメージ変換を行うだけで、脳の恐怖反応が和らぎ、冷静さを取り戻せます。

• 物理的な「ATフィールド」を展開する
  不機嫌なオーラを感じたら、さりげなく物理的な距離を取りましょう。トイレに立つ、資料を取りに行く、あるいはデスクで「集中モード」のオーラを出す（イヤホンをするなど）。「あなたの不機嫌には付き合いません」という非言語のメッセージを送ることが大切です。

• 心の中で「実況中継」をする
  相手の行動を客観的に実況しましょう。「おっと、ここで大きなため息です」「キーボードを強く叩いてアピールしていますね、ミルクが欲しいのでしょうか」。自分の心を「当事者」から「観客」へシフトさせることで、ダメージを回避できます。

今日のまとめ

• 不機嫌な大人は、ストレスで「赤ちゃん返り」しているだけ。

• 相手の機嫌は「相手の課題」。あなたがオムツを替える（機嫌を取る）必要はない。

• 脳内変換や実況中継を使って、「観察者」のポジションに逃げ込もう。